JWDA北海道支部月例ミーティング・拡大版「北海道のウェブビジネスについて・意見交換会」という集まりに行ってきました。
個人的には、技術者メインの勉強会は最近盛んになったのですが、経営者視点の勉強会のようなノリの集まりは無く、おいら元々ビジネスモデルやマーケティングに関する話を聞きたいなぁと思っていたので、もしこの集まりが継続するのであれば、結構期待は大きいです。
どんな集まりだったか
JWDAについてはおいら良く知らないのですが、いつも会員クローズドで集まっているところを、今回は会員以外でも参加OKということで参加してきたのですが、いつも良く行く技術者やデザイナメインの集まりではなく、経営者メインの集まりのように感じました。
具体的には、広告印刷メインでWebサイト制作もやってますというところと、受託業務システムメインでWebシステムもやってますというところが多かった印象があります。
意見交換会の趣旨としては、北海道では「カンパニーサイトなどの受託制作」と「ECサイトの作成・運営」及びその周辺業務が大半であり、これらって最近先細りしてきていませんか? 他に何かできることは無いですか? みたいな流れだったと思います。
討論会の内容については、その性質上おおっぴらにするとマズイのかもなぁと思ったので詳しく書きませんが、参加して思ったことやネタ振りなんぞしてみます。
生き残るビジネススタイル
討論会のスライドのうち、「仮説:生き残るWEBビジネス」では、自らプレイヤーになるスタートアップ系、ニッチなスキルで勝負するクリエーター系、よりコンサル色を強めたインテグレーター系、制作に特化したコーディング系と4つが挙げられていました。
おいらとしてはこの複合スタイルもアリかなと思っていて、この分類で言うとインテグレーター+スタートアップのようなスタイルです。(自分のちょっとだけ知り合いの元某ラボのプログラマが、こんなスタイルで活動しているようです)
ビジネスアイデアを発想する能力
ビジネスアイデアを発想する能力というのは、生活習慣みたいなもので、習慣が身についている人は黙っていてもアイデアが生まれ、それをその場でメモしているならアイデアが集積・洗練されていく物だと思います。
多くの人が、今不便なものは何か、自分の興味のあるモノと何かを組み合わせて新しい物を生み出せないか、という点について「注意を向けていない」のがビジネスアイデアが生まれない原因だと思います。
ビジネスアイデアを発想する能力を備えた人に足りないモノ
で、IT系以外の経営者層でも当然ビジネスアイデアを持っている人がたくさんいて、その実現手段としてIT系の技術を使う話もたくさんあるんですが、アイデアを具体化するための能力(理詰めのビジネスモデル化する為の能力)というのは専門性が高く、経営者層でも備えている人は少ないように思います。
自分の経験でも、ビジネスモデル化検討段階での検討内容が甘く、うまくビジネスモデル化できないままシステム発注、サービススタート、当然行き詰まって頓挫、という流れが多い気がしています。
現状のコンサルティングに足りないモノ
こんなケースでは、もっとコンサルティングが必要なんでしょうけど、資金を出すのも運営するのもお客さんなので、コンサルという立場で接しているとどうしても限界があります。
どうしても、自社への利益率が高い方向へ誘導してしまうでしょうし、使いそうもない機能を作ったり、逆に本当はExcelや他のソフトを使って作業した方が何かと便利な事に関しても、受注金額を上げるという理由で開発する機能に盛り込んだり、もっと低レベルな話になると、お客さんに納得してもらったり説得することに直接的な対価が発生しないので、結局踏み込めない垣根を作るのは自分だったりします。
実際問題、ビジネスモデルに欠陥があるなぁと思いながら作るシステムに情熱は入らないです。
これって双方にとって良いことには思えないのです。
インテグレーター+スタートアップという発想
そこで、インテグレーター+スタートアップという発想が生まれます。コンサル+スタートアップとした方が近いかも知れません。
自分も経営側の一人としてビジネスモデル化検討段階から参加し、うまくモデル化できたならそのままシステム構築を行い、その対価は売り上げ(もしくはキャピタルゲイン)から還元を得るというスタイルです。
大きい会社では難しいかも知れませんが、おいらのようなフリーランサーには結構しっくり来る気もします。
事業計画書を描けるか?
これを行うには、ビジネスアイデアからいくつかのビジネスモデルを立案し、それに対して効率的にマーケティング調査、売り上げ予測、システム構築費用の概算、広告費用や運営費用などを数字として算出し、マイルストーン毎のタイムライン上に収支比率やキャッシュフローを検討を経て財務戦略を立案した上で、事業計画書としてまとめ、必要ならばベンチャーキャピタルなどから資金調達するための仕組みまでを提供できるかどうかにかかっている気がします。
実際には資本比率や戦略上の理由でベンチャーキャピタルから資金提供を受けないケースもあると思いますが、他人が納得できるような事業計画書が作れるかどうかは重要な要素で、スタートアップメンバーだけが納得するような売り上げ予測やタイムライン上での収支計算は、ザルになってしまう気がします。
資本注入ではなく融資を受けたり、逆に足切りするときの判断材料になったりと、経営判断を鈍らせないための指標にもなると思います。
おいら視点で足りないモノを抽出してみる
で、フリーランサーとしてのおいらの立場から見ると、効果的なマーケティング調査方法と広告費用の算出方法、ベンチャーキャピタルとの接点の持ち方、ベンチャーに特化した財務への知識、あとは全体を通しての経験が足りていないと思います。
このうち、広告費用については使い分けとそれぞれの相場感があれば、実際に数字を調べるのは簡単に思えます。
ベンチャーキャピタルとの接点についても、見つける方法と、最初の一つの接点さえあれば、あとは納得してもらえるだけの資料を作る方が重要だと思います。
マーケティングって難しい
問題はマーケティングで、マーケティング結果としての顧客個体数が出ないと、それに客単価を掛け算して売り上げ予測も出来ません。
マーケティングと一口に言っても、インターネット白書のような既存の統計値から上記のような顧客個体数を算出したり、ビジネス上の仮説を検証するためのアンケート調査に類する物や、そもそもビジネス上の仮説を立てるためのインタビュー調査に類する物まで、多岐にわたっており、それぞれ使い分けやコストや要する時間が違ってくる気がします。
本から知識を得るような物ではなく、現場で実際にマーケティングして覚えるようなものかなぁとも思います。
でも、逆にここを押さえてきっちり数字を読めるようになると、かなり色々出来る気がするのですが、いかんせん勉強方法がわかりません。
財務も難しい
目標とすべきは、次の様な内容をぺらぺらと説明できる知識量ですが、ノウハウの世界な気がするし難しいんだろうな。
元ファンドマネージャーのシリコンバレー日記より
こちらは本職の方ですね
これもできると大きい気がするので、中小企業診断士の受験勉強もしてみようかな。
でも、実際に財務担当となるのではなく、事業計画に関わる財務知識という点で見ると、えらい人と一緒にテンプレート作ってそれに倣うって形でもいい気がする。あーでも、思想的な教育は必要だなぁ。
でも結局
これら一式をうまくまとめるための経験が重要なんじゃないかと思います。知識を有機的に結びつけた方針付けが、瞬時に出来るかどうかなど。
うまく行った/行かない、実際に使った/使わないにかかわらず、素振りの感覚で事業計画書を何個作ったかが重要になってくる気がします。
実際にはスタートアップに関われる機会なんてめったに無いし、実際に即した知識を効率的に手に入れるにはゲーム感覚で事業計画書を作ってみるのが一番なのかも知れません。
インテグレーター+スタートアップの問題点
ぱっと見、発注者と受注者の間にあった問題はクリアできるものの、作業の対価を得るのは売り上げが発生する時からなのでかなり先になり、それまでの運転資金をどうしようか、というのが直接的な一番大きな問題でしょうか。
突っ込めば色々問題ありそうですけど、きっと本当に色々あるので、あえてここでは突っ込みません。
まとめ
なんだか書き殴ったらよくわからなくなってきたのでまとめます。
- 特化だけではなく、組み合わせによっても生き残る道はある気がする
- Webサイトやシステムの価値を数値化できないまま進める現在のスタイルは、そろそろ限界に思える
- 数値化するためには、おいらたちはもっと勉強する必要がある
- みんなで勉強する場所があればいいね
以上。
ネタ振り
話をJWDAに戻して、最後にみんなで集まって話したら面白そうかなと思うネタを列記してみます。
- アメリカ金融業界の破綻と世界同時株安の、Web業界への影響(特に広告費用は真っ先に削られるでしょうね)
- (予測の効きそうな限界値である)5年後の業界勢力図のビジュアル化
- 儲かっている業界と死んでる業界
- 一般消費者がお金を落としやすいジャンルとそのユーザ層
- 飽和状態で課金しにくいPC向けサービスと、ここ数年で様変わりし台頭するであろうモバイル向けビジネス
- 広告費をターゲットとするビジネスと、業務効率化のためのシステム構築費をターゲットとするビジネス(MSさんが強調してましたね)
- スタートアップを成功させるための人・アイデア・計画・金
面白そうな集まりだけに、良い流れに乗れると良いですねぇ。
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