2009年1月26日月曜日

Android&Java新年会@札幌を開催しました

1/24に日本Androidの会北海道支部と、札幌Javaコミュニティ合同の新年会を行いましたので、どんなもんだったかレポートします。一応AndroidとJavaの合同新年会だったのですが、自分の興味範囲であるAndroidを中心に書きます。Web事業者視点なのも悪しからず。

まず、「日本Androidの会北海道支部」と言っても、現状では実際にAndroidに興味を持って集まっている人は少ないのです。いつもは札幌Javaコミュニティの勉強会に、Androidに興味があるプログラマが集まって1セッション行うような感じだったのですが、今回は後に新年会が控えていることもあり、ハードに強い方も勉強会に参加していただけました。ちょっと新鮮。

月刊Android周辺にぅす

まず、おいらが毎月やると宣言した月刊Android周辺にぅすを貼っておきます。

にぅすタイムラインは小さくて見えないと思うので、PDFとしてダウンロードしてから見るのが良いかも。

Androidって、Android on ケータイとAndroid on 組み込み機器という2つの視点があると思うんですが、上記はon ケータイ、以後はon 組み込み機器視点の話です。

アットマークテクノさんの講演+質疑応答

その後、アットマークテクノ実吉さんから講演いただきました。

内容は昨年11月のAndroid勉強会+αといった内容だったのですが、おいらは昨年の勉強会でスタッフをしていたこともあり、あまりちゃんと聞けてなかったので、今回は大満足でした。

新年会までの空き時間があったため、30分ぐらい質疑応答の時間があったのですが、雑談っぽく色々な話が出ました。

  • 組み込みにおけるプログラミング技術は10年前とあまり変わってない、とか
  • 組み込み向けLinuxでさえ最近で市民権を得てきたという世界に、Androidが入ってきたってのは刺激的、とか
  • ARMプロセッサとATOMプロセッサの将来性、とか
  • 流通経路を持った大量生産と、業務用機器としての小ロット生産の考え方やコストの違い、とか
  • 組み込みでAndroidが活かせるシチュエーションってどんなん?、とか
  • カーナビ屋さんは結構本気でAndroid検討しているみたいですよー、とか
  • Androidが載ったネットブックと、UMPCって被るよねきっと、とか
  • Beagle Boardってどう?、とか(これをアットマークテクノさんに聞くのってどうよ?とか)
  • あとなんか忘れたけど色々

後になって思ったんだけど、この延長線上で

  • どんな用途であれば、CPUやメモリなどのコスト増と、Androidを採用することでのソフト開発費用減(外注費含む)、もしくはクオリティ向上による価値増が釣り合うのか? (同一案件でのAndroid採用可能性検討、及びざっと数値化してみた基礎比較資料)
  • 現状のAndroidを組み込み機器上で使う場合、足りない機能や余計な機能
  • 流通経路を持った製品の場合、製品の特徴付けをハード的(デバイスや形状)に行うのと、ソフト的に行う(使い勝手やネットとの融合)のは、どっちがコストかかりますかね? (一概には言えないでしょうけど、ある製品について脳内で超ざっくり試算することは出来そうで、それも楽しそうかなって)
  • ビデオ録画で詰まるようなジジババでも容易に使えるUIってAndroidで実現できないですかね?(音声付きのタッチスクリーンを使った対話で操作するとか)

なんかをみんなで話し合えたら面白いかなぁと思いました。

質疑応答30分ってのも、新鮮で良かったかも。質問ありきのこんな感じのヤツやりたいスね。

カジュアルな勉強会の進め方 - IDEA*IDEA ~ 百式管理人のライフハックブログ ~

BeagleBoard買うべき

osabohさんがBeagle Boardを持ち込んでLTっぽく紹介してくれました。

Beagle board 買った - でっどろっくにっき

おいらハードは全然なため、ビーグルボードって何?って感じだったのですが、ゲーム機をベースにした安価+小型の評価用ボードだったんですね。実物見て、その小ささと機能に驚きました。「Armadillo-500 の 1/5 以下」と聞いて2度ビックリした。(いろんな意味で)

当然アットマークテクノさんの前で話していたのですが、osabohさんが「自分の会社でもarmadillo-500使ってますし、業務でAndroidを使ったボードを使うなら、アットマークテクノさんをオススメします」と閉めるまで、ちょっとドキドキしちゃいましたw

新年会

ぽんぽこたぬきのかくれ家で行ったのですが、この店予想通り大人気で、みんな狭いところにギュウギュウで呑んでました。

結局新年会参加者は10人で、JavaとAndroidに分かれるかな、と思ってたら結構みなさんワイワイと楽しんでいただけたようでした。

この辺で出てた話題

  • 組み込み技術者は、Cで自作ライブラリなどを使ってスクラッチで組むことが普通なので、Androidのようにフレームワークを使った開発に慣れてない。ってかそもそもリソースって何?ってレベルだよね、とか
  • ハードを統一規格にハメちゃうと安いものしか売れなくなって特色が無くなってしまうので、ハードは少々尖ってても、それを比較的安価に調整できるソフトウェアレイヤーで均すべきじゃないかなぁ、とか
  • まだ組み込み機器としてAndroidを採用した事例は聞いたこと無いなぁ、とか
  • 組み込み機器として使うとなると、やっぱり誰がケツ持つかが重要だよねー、とか
  • 札幌Javaコミュの3月のイベントは、まだ知れ渡ってないのか応募少ないんだよねー、とか
  • 遅れてきたハドソン遠藤さんは、きっとバグ出して遅れたんだぎゃはは(←みんな酔ってる)、とか
  • でもやっぱり遠藤さんはいろんなノウハウを持ってるはずなので、勉強会で裏話とか聞きたいよね、とか
  • オセロだと版権にひっかかるけど、リバーシだとセーフなんだって、へー、とか
  • Web屋にとってゲームの設計というかコードってどう書けばいいのか全然想像できないんだけど、なにか良いサンプルないですかね?、とか(オープンソース漁るぐらいですかねぇ)
  • OSC2009北海道では何かAndroidイベントできないですかねぇ、とか
  • 中国はオリンピック後不況で、庶民はPC買うお金が無いからみんな携帯を買っている。今が狙い時じゃね?、とか

あっという間に終わってしまいましたが、「楽しかった。また参加したい」という声を頂けたので、定期的に呑み会を開きたいと思います。(やった!! 嫁に良い口実が出来たw)

あまり交流がない業界が混じって呑んでたので、それが良かったのかなぁと。

個人的には、ゲーム業界と組んで面白いこともできるんじゃないかなぁと思うので、遠藤さんともっと呑みたいなぁ。北海道でゲーム作ってる方他に居ませんか?

「あ、そうなんだ」と思ったこと

個人的に「あ、そうなんだ」と思ったのは、組み込み技術者はフレームワークを使った開発(ひいては、最近主流の開発手法とか、ネットワークに乗せるとどんなサービスが実現できるかなど)に慣れて無くて、何をどう作ればどんな価値が生まれるのか解らないという点でした。

逆においらの様なWebから入った人は、組み込みにおけるコスト感覚や技術的難易度、受発注の流れ、特にデバイスの特色や制限について何も知りません。

これってギャップとして結構大きいかもなぁ。もっとお互いに理解を深めるべき。で、そこからビジネスモデルを探るべき。

また、Androidが得意な分野ってヒューマンインターフェイス(というか、人間と複雑なやりとりを行う所)にあると思うので、うまく普及していけば、大昔に夢見たユビキタスな世界がやってくるかもなぁとか思いました。

以下妄想

  • ってか、ユビキタスなんて良くわからない抽象的な世界じゃなくて、例えば冷蔵庫にアプリをダウンロードして機能強化する(バーコードリーダ付けてクラウド上で鮮度管理とかね)ような世界も、BeagleBoardの小ささとAndroidのパワーがあれば結構実現可能性高くね?
  • ってか、おいら達Web屋からしてみれば、クラウド(の概念)なんてものは何も珍しいモノではなく、サーバ側でコアロジックの並列処理が必要なものじゃなければ、今まで何個も作ってきたよねコレ、って感覚なんですが・・・(これが珍しく見えること自体がギャップですよね)
  • で、その過程で「こんな端末があればこんな事が出来るのに」と構想は持ちつつ、色々な障壁が高くて事業化できずに放置していたエリアに、いきなりスッと入れるようになった(ような気がする)感覚というか・・・
  • ってか、ブラウザ上のWebサービスなんて、もうそろそろ飽和状態に見えるし、その原資も枯れてきているように思えるので、主戦場をブラウザから移して、その高まったクオリティとハードの力(可能性)を掛け合わすような戦い方にシフトすべきだと思うなぁ
  • もっと言えば、もう家電なんて差別化できないんだから、いっそオープンソース的なコンセプトを取り入れて、家電としての基本機能(冷蔵庫であれば冷やす凍らす氷を作る)とそれを制御するAPIだけ用意して、その上で動く制御ソフトは自由に交換可能な様に作れば、どっかのギークが面白い仕掛けを仕込んでくれる気がするんだけどなぁ
  • Android端末からビデオ出力できれば、ヘッドマウントディスプレイと合わせて面白いこと出来そうじゃないですか? 通勤中にニュースやメールや読書するとか(←個人的には一番興味ある)
  • 上記のような、「(あんまりお金になりそうにない)サービスありきの思想」と「(まだあまり理解できてないけど)ハードの制約に縛られず、その可能性を発揮させたいという思想」が混じり合うあたりがフロンティア(というか次期戦場)なのかなぁと

色々言っても、一番大きいのは「Web屋とゲーム屋とハード屋が同じ話題で呑めるようになった事」であって、双方の理解が進むにつれて、これを発端に色々面白い世界が開けてくるかもなぁと思いました。

ということで、楽しくて色々収穫のある新年会でした。

北海道にお住みのAndroidに興味のある方、次回ご一緒しませんか?

1 件のコメント:

まいむぞう さんのコメント...

法律で「この記事のような用途には、IPv6しか使っちゃダメ」って決めれば、全部WiFiで繋がるし、IPv6も一気に普及する気がする…