2008年10月31日金曜日

gemspec.infoのβバージョンをリリースしました

えーと、札幌Ruby会議01以降あまりいじってないのですが、一応αバージョンからβバージョン扱いに移行しました。

バージョンアップ内容

  • ほぼ全てのバージョンの詳細情報を入力させた(いくつかは機械的に取得することが難しかったので諦めた)
  • サーバサイドのバッチ処理が重くて共用サーバに迷惑をかけたので、処理内容の見直しと、タイムアウト処理や高負荷時にバッチ処理をスキップする機能などを盛り込んだ(もう大丈夫なはず)
  • 細かな表示内容の調整

現在3700弱のgemがあり、それぞれのバージョンを保持しているので、17000弱の詳細情報を管理していることになります。

ごめんなさいな内容

仕様として諦めたものがあります。

  • どういうわけかspecファイルを取り出せないgemがあったけど、実害が無いだろうと思って諦めました。gem開いて左側にNO DATAと表示されていたら(かつ結構前にリリースされていた物だったら)諦めて自分でインストールして内容確認してみてください
  • 途中でRubyGemsの仕様が変わったらしく、以前は大文字小文字を認めていたものが、途中で小文字統一になったようです。よって、同じ内容のgemなんだけど別のgem名になったものがあります。(ANTFARMとantfarmとか、Bangkokとbangkokなど) 幸いdowncaseでまとめれるものばっかりだったのでgemspec.infoでは小文字側に合わせてあります。
  • 環境毎にコンパイルが必要なgemがありますが、gemspec.infoの設計上、全ての環境の分の情報は保持できないので、globして最初に引っかかったgem(windows用が多かった気が…)のspecファイルを使っています

まぁ、数は少ないので実害はないかと思います。

機能拡張予定

札幌Ruby会議01でいろんな方と話をする機会があり、不満点やアイデアを貰えたので機能拡張予定に盛り込みます。

  • gemをインストールする前に、そのgemがどんなものであるかを共有する、というgemspec.infoの方針に合致するので、最新gemからrdocを生成してサイトから見れるようにする予定です。
  • rdocもそうですが、specファイルの取得に関しても、現在は手元の開発マシンでデータ抽出を行って、サーバに転送していることが多いのですが、これをうまく自動化できないかなーと。と言っても、サーバのリソース制限がキツイのでマシンパワーが費用名処理は開発マシンで行うような流れになりそうだけど、データ同期が複雑になるしなぁとか考え中
  • githubなど、RubyForge以外のgemにも対応する。でも、ちょっと問題もあるので、詳細は下記参照
  • 開発はMacOSX10.5+Firefoxでしていて、他のブラウザは一度も開いたことがなかったので、ブラウザ互換性をもうちょっと頑張る。てか現状をIE7で見たらダメすぎて萎えた。githubでソース公開して、みんなに助けてもらうのがいいのかな。
  • うんちくでURL指定したときなどに、相手先のコンテンツを取得するタイミングでトラックバックできないかな? トラックバックURLを取得する標準的な方法ってあるんだろうか?
  • ブラウザ互換性の問題とか、オープンソースの強みを生かすには、早めにgithubとかで公開するのがいいかなーとか。(開発マシン・gitリポジトリ・サーバの3点間でcapistranoでデプロイできるんだろうか)
  • とかとか書き殴ると、自分で管理できなくなってくるので、retrospectiva使おうかと思うんだけど、どっかに無料で使えるサービスとか無いかな?

RubyForge以外のgemリポジトリへの対応に対する問題点

個人的にはgemで提供されている機能を一部改造してプラグインにしたり、別名で管理されたりなどしている現状にちょっと疑問を持っていて、本家にマージされて集約されれば便利なのに、そうならない問題への解決策として、githubのgem対応はとても便利だと思うし、gemspec.infoもすぐにgithub対応したいと思っています。

ただ、ちょっと検討してみるといくつか問題がありました。

gemspec.infoはgem名やその詳細を得るのにgemコマンドを使っており、

  • gem list -raコマンドで全gem名と全バージョンが取得できること
  • gem mirrorコマンド(またはrsync)コマンドなどで、インストールせずにgemファイルが取得可能なこと

の2つをクリアする必要があり(下記の理由によりgem sources -addは使いたくない)、またgithub特有の問題として

  • githubで提供されるgem名はユーザ名+ダッシュ+gem名の形で提供されることから、RubyForgeで提供されるgemと名前が重複する可能性がある このへん参照 InfoQ: GemのソースとしてのGitHub とRubyForgeの長所と短所
  • これを回避するため、gem sources -addコマンドでgithubのリポジトリを追加するのではなく、githubにあるgemをインストールしたいならgem install --sourceオプションを使って明示的に指定した方が良い→gemspec.infoとしてはインストールオプションの表示機能が必要かな
  • 他のgemリポジトリをサポートすることによる既存のデータベース構造への影響。特にGemやバージョンのIDとして文字列を使えるよう、friendly_idというプラグインを使っているので、ここをうまく回避できるかどうか

とか、おそらく他にも野良gemリポジトリはたくさんあるんだろうから、どこまでサポートして、それらにはどんな問題があるのか、とかとか。

gemspec.infoを使用|紹介|協力してくださった方々へ

いつもごひいきにありがとうございます。

moroさんにはrails勉強会で紹介していただいたとか。ありがとうございます。

gemspec.infoの開発自体はおいらの趣味がてらといった感じなので、クリティカルな物以外はこつこつやっていこうと思っているところですが、次の件については一人の力ではどうしようもないかなーと思うので、お手すきの時に助けて貰えると有り難いです。

  • ブラウザ互換性に関すること。今回jQuery使ってみたんですが、まだ慣れてないのと、元々ブラウザ互換性に対する知識が乏しいので、「こうじゃぼけー」と書いたパッチなんぞ送ってくださいましたら、即適用でございます。
  • まずはそのgemで何が出来るか、といった部分をまとめていく必要があると思います。gemspec.infoで言うところの、1行メッセージ(何/良/悪)とか、タグなど。じゃないと、同じようなgemが乱立すると思うので。自分でも分かる範囲で書いているんですが、ここを書けるのはある程度使い込んだ人だと思うので、自分の力だけでは50個ぐらいで限界のようです。(検索機能がまともに動かないとコンテンツを活かせないので、そこはおいらがんばりますです)
  • 最近のおいらがそうですが、gemに関する事をググるとき、検索結果から探している答えの候補をタブでポコポコ開きますよね。で、そのうち何件かが答えになると思うんですが、そのとき残ったタブのURLをgemspec.infoに登録しませんか? メモ代わりとして。たぶん同じ事を検索する人がいると思うので。本当は、ブックマークレットみたいなのがあればいいのかなぁと思ったり。(ブックマークレットのテンプレートないのかな?)

2008年10月30日木曜日

札幌Ruby会議01の感想

てか、おいらはるびま原稿担当で、まだ書ききってないので、おいらにとってのRuby会議01はまだ終わってないぜっ(何?

でも、この調子だといつまで経っても感想を書かなそうなおいらが居るので、ここで簡単に。

いやー凄かったですね、札幌Ruby会議01。おいらRuby界の流れとかエライ人(良い意味で)はあまり知らないのですが、発表内容から察するに相当コアな人ばっかりだったはず。

また、道外からの一般参加者も凄い人ばっかりでしたね。

誰かも言ってましたが、内容や会場設備は3000円ぐらい参加費取ってもおかしくないぐらいだったと思います。

発表内容も良かったと思いますが、Ruby(というかシステム構築全般)に詳しい人と、くだけた場で雑談できたのは凄く刺激的で、ためになりました。ライトニングトークやってよかったー(最近は懇親会まで参加することが少ないのですが、札幌だとあまり濃い話をできる人が集まらないし、LTは話のネタにもなりました)

さて、大成功に終わって満足度も高かった札幌Ruby会議01ですが、改善が必要かなと感じた部分もあったので、感じたことをまとめます。

参加受付開始から1日で定員に達するのは問題だと思います

実際、迷っている内に締め切られたって知り合いが結構居たようです。が、これは運営側の落ち度ではなく、期待が高過ぎたのが原因でしょうね。1回目から需要を読むのは難しいですし。

会場はずっとサテライトを使うのならば、もうちょっと席を増やしても大丈夫な気がしました。(サブスクリーンと音響設備が整っていたので)100席+立ち見も受け入れて良いかもと思いました。スイーツタイム用の机を外に出せばもうちょっと入るかなぁとか。(どこまでが借りられるスペースなのか知らないのですが)

結果論になっちゃうけど、来たいけど(会場スペース的な理由で)来れない人が居たのは、やはり残念でした。

あとは、外部に会場を探すとかでしょうか。この内容なら参加費取るのは全然問題ないと思いますし、回数を重ねて人数が大体読めるようになってから再検討でしょうか。

スイーツタイム

Ruby札幌とか、他のコミュニティのいくつかは、懇親会は設けずに、昼食会を設けていますよね。家族が居て、特に子供がいたりすると、勉強会の後に遅くまで呑めない人が居るので、じゃあ昼間にやろうかって理由だったと思います。実際、おいら最近懇親会に参加したいけど家族の目があって参加できないので、今回のスイーツタイムのような時間はとても貴重です。呑めないと(腹割って)話せないとか、呑んだら(頭が回らなくて)話せないとか、ありますけどねw

おいらスイーツタイムの趣旨を理解しないで(自分で買った物を弁当代わりに自分で食べるんだろうと思っていた)、適当に買っていったんだけど、みんなはどうだったのかな?

(スピーカー向けの交流の場としての打ち上げではなく)一般参加者同士の交流の場としてのスイーツタイムだったと思うんだけど、これはみんなどう思ったんだろう。自分は知り合いも居たし、LTの関係で話しかけられることも多かったので、おいらにとってもすごく楽しかった時間だった。

けれども、知り合いの居ない一般参加者にとっては、本番が始まる前にスイーツタイムがあったため、前提知識がないとスピーカーの方々と話すきっかけが無かったんじゃないかなと思う。(というのを、スイーツタイムに一人で観客席に座っている人を見ながら思った)

時間は1時間だっけ。あまり長くてもだらけるので、ちょうどいいのかも。でも、タイミングはセッションとセッションの間の休憩がてら、とした方が良いのかも知れない。(脳が甘い物を要求してくる頃とか)

前半堅い話、後半砕けた話。間の休憩はスイーツタイム、とかね。

セッション内容は高度な話に偏っていたような印象があります

強烈に興奮を覚えた人が居たのと対照に、全然わからなかった人も居たようです。(自分はよく知らないのですが)Ruby会議ってそんなもの、というのもあるのかもしれませんが、Ruby人口が少なく、全員モチベーションが高いと限らない地方版なのだから、Rubyピラミッドの底辺向けのものがもう少しあっても良かったのではないかな、と思いました。

提案ですが、カジュアルな勉強会の進め方 | IDEA*IDEA みたいに、あらかじめRubyに関する質問を受け付けておいて、雑談会みたいな感じでその解決法についてライブで回答・討論するというのはどうでしょうね?(たまたま記事を読んでこんなのどうかなと思っただけですが)

んーと、要は、話のレベルを落とすのではなく、Rubyをあまり知らない人とか、思いっきりビジネス寄りの人でも参加できるようなイベント(? 仕掛け?)を盛り込んでもいいのかなぁと。せっかく知識豊富な人が揃っているので。

イビキかいてた人居ましたね

まぁ、寝るのは本人の問題なんですが、同じ人が2回ってのはちょっと酷かったですね。(ちょっと見た顔な人なのですが)

5m以内の人はほとんどイビキ聞こえてたみたい。

先の高度な話ってのにちょっと掛かってくるんですが、運営側としての対応は(1 セッション内容の検討 (2 あまりに酷い人が居たなら退場願うとかでしょうか。でも、こういうのって、運営側がどうこうというより、参加者同士の雰囲気とか空気なのかなー。

まぁ、おいらの真後ろの人だったんで、おまえ言う前にやれよって感じですか(汗

個人的要望

おいらの場合、主な興味の対象がRailsなので(Rubyも好きなんですが)、Railsに関する話も聞けると嬉しいなーとかとか。

初学者用のRailsの本やRubyの本はあるんですけど、例えば↓がサポートしてないような大規模・高負荷環境での運用ノウハウとか聞きたいです。みんなが知ってるサイトなら、Twitterはどうやって負荷対策したのか、など。たぶん、知ってて作るのと、知らないで作るのは、見た目が同じでも内部構造が違うと思うので。


"Ruby on Rails 逆引きクイックリファレンス Rails 2.0対応" (大場 寧子, 大場 光一郎, 久保 優子)

最後に

スタッフの方々、本当にお疲れ様でした。次回も一緒に頑張りましょう。

次回は来年の前半でしたっけ?(うろ覚え)

楽しみにしてます。

2008年10月28日火曜日

gemspec.infoに障害発生しました

gemspec.infoがアカウント停止食らいました。

現在gemspec.infoのトップページのHTMLが静的に表示されているようです。

gemspecのbatchがスタックしてリソース馬鹿食いしてたみたいで、共有レンタルサーバで運用していたので、管理者に強制停止されたようです。

現在復旧作業中ですが、アカウント停止なので、ちょっと復旧に時間がかかるかもしれません。

ご迷惑をおかけしまして、申し訳ありません。

10/28 12:30追記

現在復旧しました。

6時間毎に起動するcronジョブが、6時間かけても終わらずにスタックしたようなので、ロジックの見直しが必要かも知れません。

具体的には、新らしくリリースされたgemやversionとspecファイルを、gemコマンドを使って取り込む処理です。

やっぱり、サーバ側での情報収集は最小にして、手元のPCでまとめ終わった情報をサーバ側に流し込むようにしないと、共用サーバではリソースが足りなくなるのかも知れません。

しばらくの間、新らしくリリースされたgemやversionの取り込みを手動で行いますので、更新が遅くなるかも知れませんので、ご承知ください。

2008年10月24日金曜日

gemspec.infoのαテストバージョンをリリースしました

RubyGemsの情報集約サイトである gemspec.info のαテストバージョンをリリースしました。

札幌Ruby会議01までに大きなバグがなければそのままオープンβテスト扱いにします。(と言ってもあと一日ですが…)

このブログはgemspec.infoの開発ブログも兼ねることになります。

実装できた機能

  • OpenIDを使ったログイン(OpenIDだけを使っているってのは珍しいんじゃないだろうか)
  • RubyGemsのspecファイルを利用したGemの基本情報表示機能
  • 一行メッセージ風の評価システム
  • ニコニコ動画を埋め込むGemCasts
  • 普通に書き込みだけじゃなく、URLを指定した参照コンテンツ(コンテンツの内容は参照先サイトの本文と思われる部分を抽出して取得)と、トラックバックを利用した書き込み
  • バージョン毎の障害情報
  • いろんなものへのレーティング
  • タグへのレーティング(使い分けの内容は正しいと思うかなど)
  • お気に入りのGem登録機能

まぁ、情報を集約するって部分は大体できたかなと。

現在未実装の機能

  • specファイルの大半がまだ取得できていない(流石に3700弱のgems/16000弱のバージョンを全てインストールするのは辛い)
  • 投票用のリンクとかはアイコンにしたいなぁ
  • 書き込みはWiki記法とか、入力補助機能付きのものにしたいなぁ
  • コンテンツの全文検索
  • レコメンデーション
  • クローンサイトとの同期機能
  • RSSやサイトマップ生成機能
  • 一応SEOを意識してマークアップしたけど、後半ぐたぐだになったから、効果は疑問(要見直し)
  • jGrowl使ったLPOエンジン(ライブドアのページで同じような仕組みを見た気がする)
  • ユーザプロフィールの編集機能(一応付いてるけど使ってないので適当)
  • オープンソースやCCとしての公開準備

開発資料

既にこのブログで紹介した設計資料です。現在の形と見比べてみてください。

ちなみに、あとで違うサイトに移すかも。てかリリース版と違ってる部分もあるし。後でアップデートします。

その他

  • てゆーか、まだまだバグ多いです
  • サーバがたまに重くなるので、新しいサーバ探すかもです
  • 色々反省点があるので、このブログにまとめるかもです
  • 一端リリースできたので、またブログ更新するとです
  • gemcastsについてはこちらをどぞー
  • gemspec.infoに何か書き込むときはOpenIDが必要ですが、ホワイトリストで縛りをかけているので、これ許可してーというのがあったら、気楽に連絡願います。(あまり厳しくするつもりはないのですが、実際のURLが無いとOP登録も出来ないので)

発表します

10/25(明日)は札幌Ruby会議01でこのサイトについてライトニングトークしてきます。

おそらくこのへん(未確認。違ってたらスマ)で中継されると思うので、どうぞ突っ込んでください。

あと、この会議のレポートも書いて、るびまに載せる予定なので、面白い写真とかスクリーンキャプチャ撮ったら教えてくださいね。

2008年10月10日金曜日

スタートアップ指向コンサルティングというビジネススタイルについて考えてみた

JWDA北海道支部月例ミーティング・拡大版「北海道のウェブビジネスについて・意見交換会」という集まりに行ってきました。

個人的には、技術者メインの勉強会は最近盛んになったのですが、経営者視点の勉強会のようなノリの集まりは無く、おいら元々ビジネスモデルやマーケティングに関する話を聞きたいなぁと思っていたので、もしこの集まりが継続するのであれば、結構期待は大きいです。

どんな集まりだったか

JWDAについてはおいら良く知らないのですが、いつも会員クローズドで集まっているところを、今回は会員以外でも参加OKということで参加してきたのですが、いつも良く行く技術者やデザイナメインの集まりではなく、経営者メインの集まりのように感じました。

具体的には、広告印刷メインでWebサイト制作もやってますというところと、受託業務システムメインでWebシステムもやってますというところが多かった印象があります。

意見交換会の趣旨としては、北海道では「カンパニーサイトなどの受託制作」と「ECサイトの作成・運営」及びその周辺業務が大半であり、これらって最近先細りしてきていませんか? 他に何かできることは無いですか? みたいな流れだったと思います。

討論会の内容については、その性質上おおっぴらにするとマズイのかもなぁと思ったので詳しく書きませんが、参加して思ったことやネタ振りなんぞしてみます。

生き残るビジネススタイル

討論会のスライドのうち、「仮説:生き残るWEBビジネス」では、自らプレイヤーになるスタートアップ系、ニッチなスキルで勝負するクリエーター系、よりコンサル色を強めたインテグレーター系、制作に特化したコーディング系と4つが挙げられていました。

おいらとしてはこの複合スタイルもアリかなと思っていて、この分類で言うとインテグレーター+スタートアップのようなスタイルです。(自分のちょっとだけ知り合いの元某ラボのプログラマが、こんなスタイルで活動しているようです)

ビジネスアイデアを発想する能力

ビジネスアイデアを発想する能力というのは、生活習慣みたいなもので、習慣が身についている人は黙っていてもアイデアが生まれ、それをその場でメモしているならアイデアが集積・洗練されていく物だと思います。

多くの人が、今不便なものは何か、自分の興味のあるモノ何かを組み合わせて新しい物を生み出せないか、という点について「注意を向けていない」のがビジネスアイデアが生まれない原因だと思います。

ビジネスアイデアを発想する能力を備えた人に足りないモノ

で、IT系以外の経営者層でも当然ビジネスアイデアを持っている人がたくさんいて、その実現手段としてIT系の技術を使う話もたくさんあるんですが、アイデアを具体化するための能力(理詰めのビジネスモデル化する為の能力)というのは専門性が高く、経営者層でも備えている人は少ないように思います。

自分の経験でも、ビジネスモデル化検討段階での検討内容が甘く、うまくビジネスモデル化できないままシステム発注、サービススタート、当然行き詰まって頓挫、という流れが多い気がしています。

現状のコンサルティングに足りないモノ

こんなケースでは、もっとコンサルティングが必要なんでしょうけど、資金を出すのも運営するのもお客さんなので、コンサルという立場で接しているとどうしても限界があります。

どうしても、自社への利益率が高い方向へ誘導してしまうでしょうし、使いそうもない機能を作ったり、逆に本当はExcelや他のソフトを使って作業した方が何かと便利な事に関しても、受注金額を上げるという理由で開発する機能に盛り込んだり、もっと低レベルな話になると、お客さんに納得してもらったり説得することに直接的な対価が発生しないので、結局踏み込めない垣根を作るのは自分だったりします。

実際問題、ビジネスモデルに欠陥があるなぁと思いながら作るシステムに情熱は入らないです。

これって双方にとって良いことには思えないのです。

インテグレーター+スタートアップという発想

そこで、インテグレーター+スタートアップという発想が生まれます。コンサル+スタートアップとした方が近いかも知れません。

自分も経営側の一人としてビジネスモデル化検討段階から参加し、うまくモデル化できたならそのままシステム構築を行い、その対価は売り上げ(もしくはキャピタルゲイン)から還元を得るというスタイルです。

大きい会社では難しいかも知れませんが、おいらのようなフリーランサーには結構しっくり来る気もします。

事業計画書を描けるか?

これを行うには、ビジネスアイデアからいくつかのビジネスモデルを立案し、それに対して効率的にマーケティング調査、売り上げ予測、システム構築費用の概算、広告費用や運営費用などを数字として算出し、マイルストーン毎のタイムライン上に収支比率やキャッシュフローを検討を経て財務戦略を立案した上で、事業計画書としてまとめ、必要ならばベンチャーキャピタルなどから資金調達するための仕組みまでを提供できるかどうかにかかっている気がします。

実際には資本比率や戦略上の理由でベンチャーキャピタルから資金提供を受けないケースもあると思いますが、他人が納得できるような事業計画書が作れるかどうかは重要な要素で、スタートアップメンバーだけが納得するような売り上げ予測やタイムライン上での収支計算は、ザルになってしまう気がします。

資本注入ではなく融資を受けたり、逆に足切りするときの判断材料になったりと、経営判断を鈍らせないための指標にもなると思います。

おいら視点で足りないモノを抽出してみる

で、フリーランサーとしてのおいらの立場から見ると、効果的なマーケティング調査方法と広告費用の算出方法、ベンチャーキャピタルとの接点の持ち方、ベンチャーに特化した財務への知識、あとは全体を通しての経験が足りていないと思います。

このうち、広告費用については使い分けとそれぞれの相場感があれば、実際に数字を調べるのは簡単に思えます。

ベンチャーキャピタルとの接点についても、見つける方法と、最初の一つの接点さえあれば、あとは納得してもらえるだけの資料を作る方が重要だと思います。

マーケティングって難しい

問題はマーケティングで、マーケティング結果としての顧客個体数が出ないと、それに客単価を掛け算して売り上げ予測も出来ません。

マーケティングと一口に言っても、インターネット白書のような既存の統計値から上記のような顧客個体数を算出したり、ビジネス上の仮説を検証するためのアンケート調査に類する物や、そもそもビジネス上の仮説を立てるためのインタビュー調査に類する物まで、多岐にわたっており、それぞれ使い分けやコストや要する時間が違ってくる気がします。

本から知識を得るような物ではなく、現場で実際にマーケティングして覚えるようなものかなぁとも思います。

でも、逆にここを押さえてきっちり数字を読めるようになると、かなり色々出来る気がするのですが、いかんせん勉強方法がわかりません。

財務も難しい

目標とすべきは、次の様な内容をぺらぺらと説明できる知識量ですが、ノウハウの世界な気がするし難しいんだろうな。

元ファンドマネージャーのシリコンバレー日記より

こちらは本職の方ですね

これもできると大きい気がするので、中小企業診断士の受験勉強もしてみようかな。

でも、実際に財務担当となるのではなく、事業計画に関わる財務知識という点で見ると、えらい人と一緒にテンプレート作ってそれに倣うって形でもいい気がする。あーでも、思想的な教育は必要だなぁ。

でも結局

これら一式をうまくまとめるための経験が重要なんじゃないかと思います。知識を有機的に結びつけた方針付けが、瞬時に出来るかどうかなど。

うまく行った/行かない、実際に使った/使わないにかかわらず、素振りの感覚で事業計画書を何個作ったかが重要になってくる気がします。

実際にはスタートアップに関われる機会なんてめったに無いし、実際に即した知識を効率的に手に入れるにはゲーム感覚で事業計画書を作ってみるのが一番なのかも知れません。

インテグレーター+スタートアップの問題点

ぱっと見、発注者と受注者の間にあった問題はクリアできるものの、作業の対価を得るのは売り上げが発生する時からなのでかなり先になり、それまでの運転資金をどうしようか、というのが直接的な一番大きな問題でしょうか。

突っ込めば色々問題ありそうですけど、きっと本当に色々あるので、あえてここでは突っ込みません。

まとめ

なんだか書き殴ったらよくわからなくなってきたのでまとめます。

  • 特化だけではなく、組み合わせによっても生き残る道はある気がする
  • Webサイトやシステムの価値を数値化できないまま進める現在のスタイルは、そろそろ限界に思える
  • 数値化するためには、おいらたちはもっと勉強する必要がある
  • みんなで勉強する場所があればいいね

以上。

ネタ振り

話をJWDAに戻して、最後にみんなで集まって話したら面白そうかなと思うネタを列記してみます。

  • アメリカ金融業界の破綻と世界同時株安の、Web業界への影響(特に広告費用は真っ先に削られるでしょうね)
  • (予測の効きそうな限界値である)5年後の業界勢力図のビジュアル化
  • 儲かっている業界と死んでる業界
  • 一般消費者がお金を落としやすいジャンルとそのユーザ層
  • 飽和状態で課金しにくいPC向けサービスと、ここ数年で様変わりし台頭するであろうモバイル向けビジネス
  • 広告費をターゲットとするビジネスと、業務効率化のためのシステム構築費をターゲットとするビジネス(MSさんが強調してましたね)
  • スタートアップを成功させるための人・アイデア・計画・金

面白そうな集まりだけに、良い流れに乗れると良いですねぇ。

2008年10月3日金曜日

IT勉強会カレンダーをうまく加工して効果的な勉強会告知手段にする方法を考え てみた

IT勉強会カレンダーって知ってますか?

※追記 IT勉強会カレンダーのリンクを間違えていたみたいなので、直しておきました

全国のIT系勉強会をgoogleカレンダーにまとめているものなんですが、おいらが予想していたよりずっと勉強会の数が多くて、一目ではどんなイベントがあるのかわからないような状況です。

おいらはプライベートや仕事のスケジューリングをgoogleカレンダー上で行っていて、元の会社では10人規模の進行管理もgoogleカレンダー上で行っていました。他の人のスケジュールを取り込んで、重ねて表示できるので便利なのです。実用的になるのは数人〜10人未満ぐらいの規模の場合ですけど、なにより無料だし、最近だとiPhoneのカレンダーとgoogleカレンダーを同期して使うサービスも出てきましたよね。

でも、上記の通りIT勉強会カレンダーを自分のスケジュールと被せて表示させると、件数が多いため実用にはなりません。一日当たりの登録件数が多く、全国の全IT系勉強会を対象にしているので、しょうがないところではあると思うのですが、せっかくカレンダー同士を重ねる機能があり、それを使うと管理が楽かつ見逃しが無くなるのが見えているだけに残念です。

北海道における勉強会の実情

んーと、勉強会だけじゃなくてイベント全般として考えると、オープンソースカンファレンス、Ruby札幌勉強会、Ruby札幌night、北海道Webコンソーシアム、北海道開発オフ、関数型言語勉強会、他にもJavaとかPHPとかとかがあるのかな。もっともっと増えてくる傾向にあると思います。

まぁ、おいらが知らないだけで他にもたくさんあるんだろうし、たぶん興味ある人なら誰でもwellcomeなイベントが大半だと思うんだけど、流石に札幌ローカルだし、主催者側としても広報に予算をかけているわけでも、マンパワーを投入しているわけでもないので、「本格的にイベントがあるかどうか調べてみよう」と行動に移せる人以外の目には入っていないのが現状なんじゃないかなと思う。大半の人は受動的だよね。

効果的な告知手段が確立してない

前に行政の力をうまく使えないか考えてみたときに、行政側の反応がイマイチだったし、うまーく回すためにはそれなりに大人の根回しが必要っぽい感触を得たので、実現性とか広告効果としては微妙なところかな。

ていうか、世の中勉強会ブーム(?)に沸いているのに、こうしとけば俺様の趣味に合う勉強会の情報はバッチリだぜべいべー的な、デファクト告知手段が確立してないのは問題だと思う。

勉強会に参加するような人は、結構アクティブに情報を収集しているような人だろうから、それなりにイベントの情報も得ているんだろうけど、それでも個々のブログレベルで告知しているようなイベントを100%キャッチするのは無理だと思うのです。

逆に、今一番現実的な手段は、IT勉強会カレンダーだと思います。

ただ、上にあるように現在のIT勉強会カレンダーは日本全国を対象としているので、普通に見るのでさえも不便だし、ましてや自分のスケジュールにオーパラップさせるのは無理です。

なので、IT勉強会カレンダーから「北海道」と「札幌」という文字を含むイベントだけ取り出したカレンダー を作ってみました。

※追記 公開設定になってなかったようなので、直しておきました

てか、おいらのブログで紹介したスクリプトをプロキシ的に噛ませただけだけどね。

※絞り込み文字は好きなものを使えるんで、他に需要があれば作りますよ

で、これをうまく加工して発展させる

コミュニティベースのイベントが一番集まるのはIT勉強会カレンダーだとして、これを勉強会などのデファクト告知手段に据えるには、

  • イベント主催者は、会場押さえたらまずIT勉強会カレンダーに登録。その際、興味範囲が被りそうなイベントが固まるのは避けてね。
  • 上記のような特定キーワードでフィルタリングしたカレンダーを公開する程度ではまだダメで、登録しておいた特定キーワードにマッチするイベント情報とリンクをメールで送りつけてくるぐらいのシステムが欲しい(あ、またアイデアが・・・)
  • こんな感じが当たり前になって、世間一般の認識として、イベント情報が欲しかったらIT勉強会カレンダー(もしくはそれを加工したサービス)という認識をもつまで認知させる

のが必要だと思います。

てか、基本ボランティアのコミュニティベースの勉強会で、かつ技術者らしく「無いものは自分で創る」精神にベストマッチする手段だと思うのですが、どうでしょう?

上記のようなメールで配信するシステムも、1つあれば全国で使えるし、個人で作るのにちょうど良いサイズだと思うんだけどなぁ。

その他googleカレンダー系お役立ちリンク

IT 勉強会カレンダーのFeed紹介しておきます - インフラ管理者の独り言(はなずきん@酒好テム管理者)

地域ごとにフィルタリングしたFeedno-agenda - IT 勉強会カレンダーのFeedを自分向けにしてみた

自分のカレンダーに予定を追加するためのボタンジェネレータGoogle カレンダー

IT勉強会カレンダーへの掲載申し込みIT勉強会カレンダーに情報を下さる方へ - インフラ管理者の独り言(はなずきん@酒好テム管理者)

エリア毎ではなく、イベント全体をキーワードで検索できるカレンダーIT 勉強会カレンダー検索

10/23追加

IT勉強会カレンダーをフィルター - はこべにっき (フィルタリングなどの考え方を参考にしました。自分メモ)