2008年7月11日金曜日

ペルソナを使った企画・設計における実践的な問題点の判断基準や時間や費用

実際にペルソナ/シナリオを使って検討を進める中で感じた疑問や情報をまとめてみます。

費用と時間をかけてペルソナを作るためのインタビューを行う必要があるかどうかの判断基準は?

「ペルソナの特徴が詳細に書けるか?」

時間や費用をかけたインタビューを元にした「事実」を元にするのか、時間や費用がもったいない(おそらくその効果を鑑みれば、対価として「もったいない」範囲ではないと思うが、やはり新しい手法は懐疑的?)と思って、周りの人や自分の経験を元にペルソナを作るのかの判断基準は、ここにある気がする。

特徴をかけないと、そこを足がかりに心理面まで踏み込めない。より明確に心理を推測するには、たくさんの特徴が必要になる。心理面まで踏み込めないと、「このサービスって便利かも!?」という風な心に残るようなサービスを実現する事は出来ない。心に残らないと、友達に勧めたり、自分自身がリピーターとなる事も無い。

調査を元にした事実を元にするのではなく、想像や仮説を元にした特徴を使って心理面を予想したとして、それが失敗した時の事まで考えて「こんな特徴を持っているはず!」と言い切れるか?

たとえば、「このペルソナは、多少値が張っても、自分のこだわりのあるところにはお金をかける」特徴があると言い切れるか?

普通の間隔の持ち主なら言い切れるはずが無いので、無難で平凡なペルソナしか作成できず、特徴の無いものから有意義な心理を引き出す事は出来ない。苦心して心理を見抜いたとしても、それが本当に正しいと自信を持ってビジネスの根拠に使えますか?

一方、多少癖があるなぁと思っても、実際のインタビューを元にした「事実」であれば、疑いようの無いものだし、あまりにもミスマッチならば無視すれば良い(ペルソナの特徴として取り込まなければ良い)だけの事。

ということで、インタビューを元にしなければならない理由は、こんな所にあるのかなぁと思った。

ペルソナを使って設計すると、対象ユーザを狭めてしまう事になるのか?

本には「対象ユーザを狭める事にはならない」とあるけど、いまいちピンとこないので、ちょっと考えてみた。

インタビューを元にして、対象者から特徴を抜き出し、それを統合したペルソナを創るという事は、平均という考え方ではなくて、和(足し算)という考え方になるから、対象ユーザを狭める事にはならない、という事だと思う。

たとえば、調査対象者から特徴を抜き出した集合体であるペルソナが喜ぶように、サービス上に10個の仕掛けを仕掛けておいた場合、ペルソナに近い人の方が全部引っかかってくれる確立は高いけど、まぁまぁ近いという人でもそれなりに引っかかってくれる、と言う事なのかな。

特定の人向けに作った仕掛けが、違う人には嫌だと感じる時もあるだろうから、一概には言えないんだろうけど、仕掛けに引っかかった時の効果が高いから、結果的に気に入った人の数が多いのは、ペルソナを使った時の方が多いという事なんだと思う。

ペルソナの特徴を創るときにやっちゃダメなこと

事実を元にしたのではなく、年齢や職業から「こういう風に考えているはず」と特徴を追加する事。例えば、あまり根拠が無いままにペルソナは公務員だとして「公務員だから形式張った事や数字にこだわる」はず、と連想して特徴付けするのは、意味の無いものから意味の無いもの(または意味の薄いもの)を創る事になるのでやめた方が良い。

ペルソナ/シナリオのためのインタビュー調査に要す費用と時間

インタビューをするなら、条件に合う人の抽出(リクルート)を調査会社にお願いしなくちゃならないんだけど、知り合いのところに頼んだら、(必要サンプル数は在籍する前提で)発注からインタビューする日まで2週間ぐらい時間は必要らしい(根拠不明)。

そのあと、各種図表を埋めて、ペルソナを作って、シナリオを考えてというと、3週間ぐらいかかるかもね。

大半はインタビューを行うまでの待ち時間。知り合いに該当者が居れば良いんだけどねぇ。(その場合も無理は言えないのでスケジュールを調整したら結構時間かかるか…)

費用については、インタビュー対象者5人で、インタビューアーは自分がやるとして、記録用機材レンタル代(動画データまたはMP3に出力可能)や会場代も含めて20万弱だった。札幌だけどね。

業界を知らないので、これが安いのか高いのかわかんない。

結果測定のための定量調査(アンケート)に要す費用と時間

ペルソナを創るのはインタビューが必要だと思うんだけど、ペルソナ/シナリオができて検討や設計が進んだときに、効果測定を行う場合は、アンケートで良いのかもしれない。

こういう用途で手軽に使うならやはりヤフーリサーチかなぁ(素人考え)と思って調べてみた。

ヤフーリサーチの料金表

サービスや商品に対するアンケートの時、普通は事前にアンケート対象者を絞り込む(スクリーニング)をしてから、該当者だけにアンケートをするだろうから、Yahoo!リサーチ PLUSがいいのかなぁ。

サンプル数によって値段がわかるんだけど、素人にはよくわからなかったので、必要サンプル数について調べてみた。

サンプル数の決定-OKWave

統計学のサンプル数2000の根拠は? -OKWave

標本数はどの程度あればよいのですか?

世論調査におけるサンプリング数の決定 ※数値の計算結果のみ参考にする事

自分は統計学を学んでいないので、はっきりした事は言えないんだけど、調べてわかった事は、

  • 調査方法によって計算式自体が変わるので、「この式なら何でもOK」というものは無いらしい
  • Yes/Noの二択で一般的な条件(根拠不明)で、母集団(日本人全体などのサンプルの元になる集団)の数が10万未満だったら、必要サンプル数は変化するけど、10万以上だと1537付近から変化しない。よっていつも2000もあれば正確ということになるらしい。式の性質上、そういうものであるということ。
  • サンプル数より、質問の仕方(アンケートの作り方)の方が、結果に与える影響は大きいらしい。

結局よくわからない。まぁ、値段から見るに10万円〜100万円の範囲内には収まるよね。時間も設問さえ決まっていれば1週間以内だろうし。

よくわからなかったのでYahooリサーチに問い合わせしたところ、

  • (根拠は教えてくれなかったけど)回答が30以上であれば、信頼に足るものだと判断できる
  • 有効回答総数が何個でも、それ以内であれば好きなサンプル数分だけ購入できる。たとえば、総数1000個の回答があったとして、100個だけ購入すると、10万円ちょっとになるよね。
  • 上記の場合、回答を受け付けた先着100個を購入することになる。
  • ただし、取引は法人間で行うので、おいらみたいなフリーランスはだめぽと言われました(設問の調整は良いが、発注は法人格を持っている企業からとなるので、必要であればクライアントからの発注とする必要がある)

だってさ。まぁ、スクリーニング(オプション料金)もするなら15万ぐらいになるのかな。(前もってスクリーニングしておくのと、Yahoo!リサーチ PLUSを使ってスクリーニングと本調査を一緒にするのが、どういう意味を持つのかはよくわからないけど)



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